文庫本
 サプリマスターのインフラ問題として、荷物の送り状が手書きであることが挙げられます。何件も何件も大量に出荷がある日は非常に効率が悪い。

 これは、運送会社のシステムのせいであって僕にはどうしようもないのですが、気がかりなのは僕の書いた字を皆さんに見られる事です。
 僕の字はまるで「左利きが右手で書いたような字(事実その通り)」なのです。

 そんな字や漢字の無知さにコンプレックスを持った人々、あるいはパソコン世代に「えんぴつでなぞる奥の細道」とかニンテンドーDSの「漢字検定」などが売れているそうです。
 そして僕も「ニンテンドーDS欲しいなぁ〜。アレがあったら勉強するのになぁー!」と小学生のオネダリの台詞の如く思ったりした事もありました。

 しかし、冷静に考えると話は違ってきます。
 そも、車通勤者や会社の近くに住んでいる人は良く「電車通勤なんて時間の無駄」と言いますが、僕からすれば通勤電車内で読む本こそが自分自身貴重な肥しとなるのです。家や職場で勉強しない僕には、半強制的な学習とエンターテイメントの場とも言えます。

 増して漢字や語学ならまだしも「脳トレソフト」「右脳ソフト」をいくらプレイしたところで、脳が活性化したり右脳が優位になるとはとても思えません。

 そんなワケで、寒いこの時期(寒くないけど)に好んでよく読むのはこの2冊。

ギャビン・ライアル「最も危険なゲーム」
 フィンランドのラップランドを舞台とした航空冒険小説。荒涼としたラップランドの風景を飛ぶ一匹狼の主人公とオンボロ飛行機は、孤独ッキーにはたまらない寒さと孤独感を運びます。
 ライアル作品に限らず、プロフェッショナルが登場する作品が好きです。


ジャック・ヒギンズ「廃墟の東」
 グリーンランドを舞台とした航空冒険小説。ジャック・ヒギンズと言えば、「鷲は舞い降りた」などの戦争秘録モノのイメージが強く、それを期待して彼の量産する「量産型冒険小説(※)」を読んでがっかりした人も多いはずです。
 
 しかし、この廃墟の東は、ギャビン・ライアルの「最も危険なゲーム」と「本番台本」を足して2で割ったような作品で、全然ジャック・ヒギンズっぽくありません。というより、両作品の美味しいところを明らかにパクッています。
 ということは、一匹狼の主人公の一人称の視点で展開される物語と孤独感、グリーンランドの厳しさの臨場感は保障つきです。

(※) 僕はヒギンズのワンパターンな量産小説が好きです。