〜プロテイン博士になれる講座〜
サプリメントは大きく二種類に大別できます。

・普段の食生活で不足しがちな栄養素を補うもの

・摂取によってホルモン分泌や筋合成昂進などの生理活性が起こる特殊な栄養素

プロテインは前者にピタリと当てはまります。プロテインは、タンパク質を手軽に素早く補うことを目的としたプロダクトだからです。

したがって、欲張ってプロテインを沢山飲んだからといっても、筋肉が付きやすくなる訳ではありません。それどころか、自分の消化能力を超えたプロテインを始めとするタンパク質の大量摂取は消化不良やアレルギーの原因となります



「プロテインの最適摂取量」
ごく近年の研究によれば、プロテイン1回当たりの理想的摂取量は20gであることが判明しています

胃や小腸で完全に分解できる量がおおよそ20gであるからと言われています。また、別の実験では、タンパク質分解酵素を豊富に含む消化酵素サプリと共に摂取する事で、プロテインの体内利用率を高めることが可能となることが解っています。消化吸収を促す工夫を凝らすことで、少ないプロテイン摂取量でも、高いアミノ酸供給が可能になるのです。

詰まるところ、肉やプロテインなどのタンパク質は「量」ではなく、如何に体内で消化吸収されるかが鍵となるのです。タンパク質摂取量を増やしたい場合、一度に沢山食べるのではなく、完全に胃腸で消化吸収できる20gのタンパク質を1日数回補うのが、現在もっとも理にかなったタンパク質摂取テクニックとなります。



「プロテインの摂取テクニック」
量の次に重要なテクニックは先の消化酵素の話で紹介した「消化促進」です。

プロテインを含めたタンパク質は、最初に胃で胃酸とペプシンという消化酵素に充分に触れる必要があります。この為、胃酸の分泌量が少ないひとや胃腸が弱い人は少ない量であってもタンパク質の消化が苦手です。

消化の第一段階である胃でのタンパク質分解を促進したい場合、胃酸の分泌を促す食品を利用します。

・ショウガ
・炭酸水
・梅干し
・酢
・クエン酸
・リンゴ酢

などを適量補うことで、胃酸の分泌とペプシン活性が促され、胃での消化を改善することができます。

胃のペプシンで最初の分解を受けたタンパク質は腸管内で、プロテアーゼというタンパク質消化酵素による分解を受けて、ジペプチド、トリペプチド、遊離アミノ酸と言った最小単位まで分解されることで初めて腸壁から血中(体内)へと摂り込まれます。

プロテインなどのタンパク質を摂取する際に、タンパク質分解酵素を多量に含む南国のフルーツ(※)や消化酵素サプリを利用することで、スムーズにタンパク質がペプチド→アミノ酸へ分解され、吸収率が高まります。

※ パイン、キウイ、メロン、イチジク、パパイヤなどなど

プロテインなどを摂取する際は、消化の助けとなる食品やサプリメントを利用するのが良い手段となります。

後編へ続く



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