〜実は繊細な人体機構〜

近年の自動車がほぼメンテフリーなように、人間もメインテナンスなしで活動可能と錯覚しがちである。

確かに巨視的には大雑把な生物と言える。

例えば、事故などで利き手を失っても、反対の手で利き手が担っていた日常生活の大半を支えられるようになる。また、膝や大腿骨骨頭に不具合が発生しても、その程度に応じて脳が補正するため、普通に歩くことが可能だ。

しばしばテレビ番組などで紹介されるように、何かがどれかの代替を果たすことや負担を分散する機能が備わっている為、巨視的には簡単に機能不全に陥ることはない。それは基本的に生存を目的とした生物機械だからであり、簡単には死ねないのである。

運動習慣なしで、ファストフードを毎日、毎食、食べ続けない限り、容易に心筋梗塞や脳梗塞で倒れられない構造を持っている。

しかし、一方で何かが何かの肩代わりをすることができない機構を多々、所有しているのだ。



それが細胞膜膜上のナノ器官である各種交換ポンプである。

これらのナノマシーンとも言える器官、機構はそれぞれの標的とする元素を駆動メカニズムに用いているため、他の原子では融通が利かない作りとなっている。

特定の元素の不足、あるいは過多などによって、器官の機能低下とそれに伴う筋肉などのより大きな細胞の不調が起こるだけではない。本来は環境中に存在しない標的原子に近似したサイズと電荷の原子が体内に入り込むことで、これらナノ器官の誤作動や細胞死をもたらす。

つまり、特定元素のアンバランスや存在してはいけない元素の摂り込みによって、本来は起こり得ない機能不全が発生し、巨大な生存機械を停止させることがあるわけだ。

人体は一見、ヘビーデゥティーに見えて、意外に脆い一面を持つ訳だが、イメージしにくい人は低周波治療器を思う浮かべても良い。ただの電流だけで筋収縮の命令が下るように、一物質の存在でも末端に与える影響が大きくなることがあるのだ。



余談になるが、メチオニンやコリン、ベタインは重要なメチル基の供給源であるが、ある経路の代謝においてはこのメチル基のみが通用する「通貨」となるため、その不足は代謝の末端における物質にまで影響を与えることが解っている。

それがビタミンB12や葉酸である。

これらの欠乏は一見、それらの摂取量不足にみえて、メチル基不足が原因であるケースや遺伝子多型によるメチル基供給能力不足が原因であることも多く、「葉酸サプリを摂る」だけでは解決しない場合も考えられる。



今回の話は円滑な人体機構の稼働や健康問題に関して、末端、最終的な表現型である「症状」ではなく、作用機序の流れを追いつつ、ミクロの原因、源流について考えを巡らせる必要があることが言いたかった訳。症状、末端の現象のみに囚われていてはいけない。

例)「心臓が痛い=心臓だけが悪い」、「肌荒れ=肌の細胞が悪い」・・・とはならない
余談。
車やバイクは、飽きたり、古くなったり、壊れたりすれば、乗り換える事ができます。しかし、自分の意識や魂、個性が宿るこの身体だけは、どんなにイヤでも一生付き合っていかなけばなりません。私がトレーニングを続ける理由は、自分自身の身体に一生快適に乗り続ける為です。「チューンナップ」と「メンテナンス」を欠かさないと言うか惜しみません。

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#9へ続く



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