トレーニングやサプリメントによる成長ホルモン分泌促進は有意か?-2

たとえサプリメントなどの摂取によって、成長ホルモン分泌が高まっても、その増大量と持続時間から、筋肉増強に対する影響は大きくないだろうという意見がある。

人は自然な状態で、1日8回程度、脳下垂体から成長ホルモンを分泌する。自然な形で上昇した成長ホルモンレベルは60分程度で元に戻ると言われている。

ある研究(Moller)によれば、自然に分泌される僅かな成長ホルモン量(血中濃度)でも、体脂肪の分解が起こることが判明している。成長ホルモンの分泌によって、体脂肪由来の血中脂肪酸とグリセロールの濃度が約2倍に上昇したという。

また、同じ研究者のグループは特殊な測定装置を用いて、成長ホルモンによる局所的な脂肪分解が起こることを明らかにした。実験では大腿部と腹部の皮下脂肪を比べた結果、成長ホルモンは腹部の脂肪を多く分解することが判った。



古典的とも言える有名な研究において、トレーニング直後に4gのグルタミンと水だけを摂取した時に、平均でトレーニング前の4倍の成長ホルモン分泌を計測している。

また、アルギニンの成長ホルモン分泌促進作用は有名であるが、2017年の日本スポーツ栄養学会において、アルギニン:500mg、リジン:200mg、オルニチン:120mgを含むアミノ酸混合栄養カプセル(カンカニクジュヨウとミネラルを含むエキストラアミノアシッドそのもの)が、被験者の運動後成長ホルモンレベルを高めたという報告がある。

ハードなトレーニング自体が成長ホルモンの分泌を促すが、古典の実験も近年の身近なサプリを利用した実験でも、トレーニングとサプリメントを組み合わせることで、非摂取時よりも成長ホルモン分泌を高めることが示されているわけだ。



自然なリズムで分泌される成長ホルモンは少ない量と持続時間であるにもかかわらず、脂肪分解効果に関してはハッキリとした効果を示したように、厳しいトレーニングやサプリメント摂取によって惹起される成長ホルモンもまた、劇的な分泌量(※)ではなくても、こと脂肪燃焼においては高い効果を期待しても良いだろう。

特に成長ホルモン特有の効果から鑑みると、腹回りの脂肪をあと一絞りしたい減量後期の人や節約エリートには見逃せないはずである。

※ グリコ「エキストラアミノアシッド」の臨床レベルではない小規模試験においては、ドラマチック、ファンタスティックと言っても過言ではないレベルのGHブーストが計測されている(誰にでも起こり得る訳ではない)

参考:究極のトレーニング

#3へ続く



Ex:GHブーストサプリ
グリコ「エキストラアミノアシッド
HALEO「RAPTOR

エキストラアミノアシッドの機密「GHブースト編

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