素養を知るなら母を観よ-18
「あなたのせいではない!・・・かも!?」-3

〜食欲遺伝子?〜

β3AR変異タイプもUCP-1変異タイプも、安静時代謝が少ない節約型の遺伝子と表現される。

これに対して、とある遺伝子の変異によって、食欲抑制や脂肪蓄積抑制が上手く働かない貯蓄型ともいえるタイプが存在する。



中堅、あるいは伏兵「ob遺伝子変異」

主に脂肪細胞中で機能するob遺伝子は、脂肪細胞に脂肪が蓄積されると、その役目を発露して、レプチン(obタンパク質)を作り出す。レプチンは脂肪細胞から血流に乗って脳へと運ばれ、視床下部へ作用を及ぼす。

レプチンによって作用を受けた視床下部は、基礎代謝を上げて、食欲を抑制するように中枢へ働きかける。脂肪蓄積をシグナルにして分泌されたレプチンは、食欲を低下させてカロリー摂取を抑制しつつ、交感神経を活性化して基礎代謝を高めることで、貯め込んだ脂肪を消費しやすくしてくれるのだ。

これらの働きから、レプチンには体脂肪量を一定に保つ役割があると考えられている。



レプチンは脂肪細胞中の脂肪量増大をシグナルに大量に生成されるが、ob遺伝子に変異があると、上手くレプチンを作ることができず、脂肪を溜め込みやすくなる。

つまり、ob遺伝子に変異がある人は食べることによって、満腹感を覚えにくい為、食べ過ぎになる傾向が高い。また、食べることによって起こる発熱が少なく、摂食由来のカロリー消費が少ない。

ネズミの場合においては、正常なネズミは体脂肪率が20%までで保たれるが、ob遺伝子が変異したマウスは体脂肪率が40%以上になることが知られている。このことからも、食欲の抑制が効かない状態は途端に体脂肪率に直結することが判る。

「体脂肪の燃えやすさ」ということも重要な要素ではあるが、たとえ上手く体脂肪を燃焼できたとしても、余剰に摂取してしまった食事からのカロリーは運動による消費カロリーに比すると圧倒することが多いため、このタイプの人は減量に際してはかなり不利といっても良いだろう。

参考:究極のトレーニング

#26へ続く



Ex:
徹底攻略「不活性型β3AR

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