風邪をひいてしまった時の栄養補給-前編

Q:風邪をひいてしまいました。

1.このような場合、しっかりとご飯を食べた方が良いのでしょうか?

2.風邪の時に意識して補給すべき栄養素など、あるのでしょうか?


前編の今回は質問1について考えてみたいと思います。

風邪をひいて食欲がないときでも、食事をしっかりと摂った方が良いようなイメージが先行しますが、確かに熱があまり出ない鼻風邪の際はしっかりと食事を摂った方が治りが早くなると言われています。一方、熱風邪の場合は、食事を摂らない方が早く治るそうです。

一見、お婆ちゃんの知恵袋のような民間療法に聞こえますが、これらの手法に関しては、実は充分な証明がされてきています。



食事をしっかりと摂ると、まず、消化を行う段階で熱産生が起こります。ただ単に食べるだけで、身体が温かくなる訳です。それは量や質にも依存するので、できるだけタンパク質の比率が高いしっかりとした内容の食事を食べることで、体温を高く保つことができます。

ご存じの通り、体内の免疫系の多くは体温が高い状態の時に、より活発に活動できる為、体温が高まる食事を摂ることで、風邪の治りが早まることは容易に想像可能でしょう。

また、経験的にも、鼻風邪の際は暖かい食事や飲み物を積極的に摂ることで、身体が楽になることが知られていますが、これは単に熱い物を摂り込んだことで一時的に体温が高まった影響かも知れませんが、ひょっとしたら、食道が強制的に熱されることで、食道近くの免疫を司る臓器である胸腺が活性化した結果という可能性もあります。

吐き気などがある場合はお手上げですが、そうでない場合やむしろ食欲がわいて仕方ない場合は、暖かくて栄養がある物をガッツリと食べた方が良いでしょう。



高熱を発する熱風邪の際はそもそも食欲なぞ微塵もないと思います。

高熱によって食欲がわかないと言う本能に従うことは理に適っていることが、近年確かめられるようになってきました。全く食べないと言う断食やそれに近しい半断食を行うことで、免疫力が大きく回復するそうです

ただ、恐らくは高熱の際は免疫云々と言った問題ではなく、食べることによって発生する更なる熱産を避けたいこと、そして、各種サイトカインや免疫による死んだ細胞の残骸の排出だけに専念し、その他のエネルギー食いの余計な代謝活動を避けたいと言った目論見があるのかも知れません。

いずれにしても、熱風邪の際は無理に食べない方が良いという経験談的な知恵は、学習系の免疫増産や代謝の観点からみれば、非常に合理的であると考える事ができます。

後編へ続く




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