納豆ガセビア Part.2

Q:健康系サイトの記事に、「納豆にはセレンが沢山含まれているので、実は身体に良くない!」と書いてあったのですが、本当ですか?

ポータルサイトなどでピックアップされていた三文記事のことでしょうが、全く問題がないと言っても良いでしょう。

セレンは摂取量の下限値と上限値を最も決めがたいミネラルですが、1日当たり200㎍未満の摂取量であれば、長期的に摂取しても過剰になることはありません。

乾燥大豆100gに含まれるセレンは5㎍と言われており、これを食べる為に茹でた場合100g当たりの含有量は3㎍に低下します。ただし、これは国産大豆の話です。

穀物などの作物セレン含有量は土壌におけるセレン分布と高い相関を持つ為、セレンを豊富に含む土壌で育った大豆のセレン含有量は高くなります。輸入大豆の大半を占めるアメリカ産大豆は、100g中28㎍のセレンを含みます。茹で大豆の場合、100g中16.8㎍のセレンを含む計算になります。

ちなみに、ブラジルは国産よりもかなり低いセレン含有量を示します。

納豆は茹でた大豆から作られ、水分含有量も茹で大豆とほぼ同じなので、輸入大豆で作られた納豆50gには約8㎍のセレンを含むと考える事ができます。



上の数値が正しい場合、50gの納豆2パックには約16㎍のセレンを含有すると言う計算になります。短期間であれば毎日十パック以上の納豆を食べてもセレン中毒になることはないでしょう。もちろん、常識的に1日2パック前後に留めておくなら、毎日食べても何ら問題ありません。

ただ、大豆のセレン含有量は大豆生産地や測定方法の違いなどから、データにバラツキが多いように思えます。

もしも、この値よりも10倍以上、大豆がセレンを含んでいるのであれば少し考えないといけないかも知れませんが、例えそうであっても植物に含まれるミネラルのバイオアベイラビリティは極めて低い傾向にある為、含有量=吸収量=体内利用量と考えてしまうことは早計です。



と言うことで、むしろ不足しがちなセレンを僅かばかり補う足しとして、納豆が嫌いでなければ、食生活に採り入れる価値があるのです。



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