Q:サプリ塾の本日の講義では、カーボサプリやカーボ入りプロテインの解説が出てきませんが、何故なのでしょうか?オススメではないのでしょうか?

筋肉を動かすATPを作り出す為の代謝活動に酸素を用いない運動、すなわち、強度の高い無酸素運動における主なエネルギー源はグリコーゲンです。

グリコーゲンは酸素を利用して代謝された場合、効率よくATPを産み出しますが、無酸素代謝の際は有酸素代謝に比して同じ量のグリコーゲンから約20分の1しかATPを生産できないため、無酸素運動時には大量のグリコーゲンを消費します。

無酸素運動のエネルギー源はグリコーゲンから得られるグルコースなので、無酸素運動を行うときに、体内でグルコースへと代謝される糖質を摂取すれば、エネルギーゲインが得られると考えるのが普通です。



ところが、運動時において、血液中のグルコースを筋肉へと摂り込む速度は、無酸素運動時の消費量に対して10%以下の供給に留まります。

つまり、運動中の筋肉へグルコースを送り込むべく、大量の糖質を運動中に摂取しても、身体の代謝機能はそれに答える術を持たないのです。欲張って、運動中に大量の糖質を体内に入れても、処理できないグルコースで血液が溢れかえる、いわゆる高血糖という状態を招くだけなのです。大量のグルコースを処理する為に、大量のインシュリンが分泌され、肝臓もフル稼働でグルコースを中性脂肪に変えねばなりません。

一時期流行ったウエイトトレーニング中に多量のカーボドリンクを飲む行為は、多量のインシュリン分泌を起こして運動中の筋分解抑制と脂肪組織の肥大をもたらし、太ることによって結果的に押す力が増え、あたかも凄い効果があったかのような錯覚をもたらしたのではないかと推測します。ただし、それは一時的な一過性のゲインで、一定期間後には脂肪太りやインシュリン感受性の低下、肝機能低下、等々によるパフォーマンス低下が起こったために、その手法は廃れていったのではないでしょうか。



ただ、この無酸素運動時の需要に対して10%程度は血中グルコースを利用できると言う性質は、ウエイトトレーニング以外の運動においては利用価値があるかも知れません。

例えばテニスなどの運動時間が長いスポーツです。また、自転車競技やマラソンなども適するでしょう。

もちろん、量さえ間違わなければ、ウエイトトレーニングでもそれを長時間行う場合は、吸収性に優れた糖質をトレーニング中に小まめに補う価値があるでしょう。



近年、高性能のカーボサプリが登場してきましたが、これらのサプリを活用する良い一手としては、競技やコンテスト前のカーボローディングです。

ローディング目的で炭水化物を2〜3日の間、かなり多めに食べ続ける行為は意外に苦痛だったりします。その際に、食が進まず、液体なら何とかなりそうであれば、カーボサプリを利用するのも一つの方法です。ただし、欲張ってはいけません。平常時は運動時よりも筋肉の糖の摂り込みが遅いからです。

できれば、GCS750やマッハ6などを利用して、テクニカルに血中グルコースのグリコーゲン化を図りたいものです。

おわり。



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