〜モノローグ〜

今は閉店してしまったのだが、数年前までGap神戸元町店があった。

軽く15年以上前の話になるが、当時のGap元町店店長が早朝にオープンする最寄りのジムでワークアウトを行い、MRP(マイオプレックス)を朝食代わりにしてから出勤していくのを頻繁に見かけた。

仕事ができそうな男前の外国人が、仕事前にウエイトトレーニングしてからジョッキに溢れんばかりのMRPを飲み干す姿は、フィットネスやサプリの広告に使えそうなくらい絵になっていた。



〜プロローグ〜

レジスタンストレーニングを行うなら、朝か良いのか?それとも、午後か?トレーニング効率やトレーニングクオリティから考えると、断然、夕方がベストである。

神経系の目覚めの問題もあるが、何よりも、午後のほうが深部体温が高いという理由が大きい。体温が高いほうが、筋力が高まるからである。起床してから完全に脳が目覚めるまでには、数時間かかる事情と相まって、午後のトレーニングでは高いパフォーマンスが発揮できる可能性が高い。

ただ、夕方以降のトレーニングは、いくつか弱点がある。



一つは、運動、特に激しい運動によって交感神経が優位になって、寝付きが悪くなりやすくなること。もう一つは、運動によって、体温が上昇してしまうこと。

そして、少数派の問題として、夏場は日が沈んでも猛烈に暑いことが挙げられる。ウォーキングやジョグは良いとして、ランやスプリント、公園トレなどの野外で激しいトレーニングを行う場合、たとえ日が照っていなくても、この気温が大きな足かせやリスクとなってしまうのだ。

自然なリズムとしては夜が深まるにつれて上昇していた体温が低下することで眠たくなってくるのだが、夜に激しい運動を行うと下がるべき体温が高まるだけでなく、優位になった交感神経によって覚醒度が高まってしまい、寝付きや寝入ってからの質が悪くなってしまうことがあるのだ。



いずれもある程度の慣れによって克服できるため、大きな問題ではないが、克服できなかった場合はQOLを高めるための行為が反対にそれを圧迫してしまうという矛盾をはらんでしまうわけだ。このクオリティ・オブ・ライフ視点からは、就寝時間に近い時間帯での激しい運動はベストは言えない。

一方、QOT、すなわちクオリティ・オブ・トレーニング視点から観た場合、夕方以降のトレーニングが最も適している為、ほとんど問題が起こらない人や不具合の度合いが少ない人はメリットがデメリットを上回るため、とりわけ、路線変更をする必要はないだろう。

しかしながら、この問題が大きくても、それとは違う次元の問題として、環境的状況的理由の支配を誰もが受けざるを得ない。つまり、仕事帰りにしかトレーニングできないというシチュエーションである。殆どの人が仕事帰りにジムへ立ち寄るため、自ずと就寝時間に近い時間帯にトレーニングを行うことになるだろう。

QOTとしては是となるが、それによってQOLが著しく下がってしまった場合、その人の目的や好みによってはひどく本末転倒な結果となってしまうため、築き上げた既存のパラダイムを疑い、その転換を図ってみるのも一興である。

つまり、件の外国人店長よろしく、朝トレ派に転向してみたい。せめて、夏季だけでも!

Ex:
体温を下げて、寝付きを良くする方法

本編へ続く



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