素養を知るなら母を観よ-15
「オマケ話編2-ジジババの謎」
〜どの孫を可愛がる?〜


Q:僕も妹も、ほぼ同時期に一男一女に恵まれましたが、どう考えても私の親たちは妹の子供達の方にお熱なように見えて仕方ありません。親馬鹿ですが、見た目は私の子供達の方が可愛いと思います。

これはまず第一に、妹が産んだ子供は確実に、その祖父母の遺伝子を継いでいるからであり、遺伝子のビーグルとしては当然の本能的反応である。

一方、息子の子供というのは、シチュエーションによっては時に数〜数十%の確立で、本人の子供ではない可能性を持つ為、本能的に祖父母の興味がほんの少々目減りしてしまうのも致し方ない。

次に第二の理由となる別の視点から、この現象を考えてみたい。



ほとんどの人が察している通りであるが、X染色体から孫贔屓を考えてみると面白い。

祖となる父のX染色体を受け継いでいるのは、その娘であり、その娘が産んだ子供にも、それが遺伝する。娘が産んだ子供の中でも、男の子はより娘由来のX染色体を保有している(※)。X染色体だけを追いかけると、爺様にとって一番可愛い孫は、娘が産んだ男の子となるだろう。

理屈的にはそうなるが、X染色体は知性や知能に関する遺伝子を多く含んでいるため、行動や性格などがなんとなく自分に似ている自分と同じX染色体を持つ孫を可愛く思うのかも知れない。

一方、祖母の場合は、自分の息子が連れてきた女の子に夢中になる可能性が高い。これもX染色体の受け渡しの都合だけで考えた場合となるが、単にこの孫は息子が小さかった頃と同じような言動をとる可能性が高く、そこにかつて溺愛した息子を重ねてしまうといった影響が大きいのかも知れない。



上に挙げた二つの視点から考えると、少なくとも爺様にとって、一番可愛い孫は娘が産んだ男の子ということになる。

これらはあくまでも理屈になる為、膝を打って自分の経験に納得した方もいれば、大きく異なる場合もあるかも知れないが、一家で集まるときや親戚一同が介する際などに観察したり聞き取りしてみると面白いだろう。

※ 正確に言うと、自分由来のX染色体を多く含むX染色体をそのまま次の世代に残すタイプの孫



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