プルオーバーが効かない!-前編

Q:「いつやる?プルオーバー」を読んで、胸と背中を同じ日にトレーニングする時期を設け、その際にプルオーバーを行っていますが、あまり効いている感じが得られません。また、良く言われるような肋骨間の強いストレッチ感も感じません。

プルオーバーに関しては、ストレッチ感を得るためや効かせる為の方法論として、クロスベンチの採用が勧められることが多いです。ベンチに対して交差するように身体の一部をベンチに預けると言ったセッティングになります。

背中の一部がベンチに接するだけとなるので、可動域が増え、身体をより反らせられる様になります。当然ながら肋骨間のストレッチ感は増大します。

ただし、このフォームは修得が難しいと言う欠点があります。

一方、フラットベンチに普通に身を任せ、動作を行い易いようにベンチから軽く頭をはみ出させて行うプルオーバーは、動作自体は簡単ですが、背中はベンチに接しているため、肋骨間のストレッチ感はやや弱くなります。



一見すると、やりやすさを取るか、ストレッチ感を取るかと言う話になります。ですが、個人的には一貫して普通のダンベルプルオーバーしか行って来ていない割には、結果に満足しています。それなりに絞っても、上体が大きく見えるのは、プルオーバーの影響だと思えて仕方ないのです。

では、何故、やや温めのベンチを普通に用いたプルオーバーが効いたのでしょうか?

それは、できる限り最大限の重さで行っていたと言う事です。ベンチに対して直角に身体を乗せるクロスベンチに対し、普通に寝転がるプルオーバーは、何と言っても安定性が高いのです。この為、限界ギリギリの重い重量で行っても、安定した動作を続ける事ができます。

高重量による安定した動作は、結果的に肋骨間に強いストレッチをもたらすのです。

つまり、以前、プル種目におけるストレッチ感増強-終着駅編で紹介したように、あなたにとって多くを学べる先生の一人は重力であり、重力による刺激がターゲットへの作用をダイレクトに知覚させてくれるのです。

ただし、それは、重りがピンと鉛直に引っ張られて、そのベクトルが身体と上手く繋がった時の方が知覚しやすいので、慣れない内は無理に難しい方法を採るよりも、動作を安定させやすい手段を選択するのが良いでしょう。

後編へ続く



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