Q:クロスフィットやそれに近い運動に興味があるのですが、生活環境上、運動を行うのは会社帰りのジム以外の選択しかありません。ジムでは様々な器具を用いて、ダイナミックな動きのサーキットを組むのが難しいのが現状です。そんなシチュエーションでも何か良い代替案はないでしょうか?

停滞をブレイクしたいだけなら、週の何処かにクリーンオンリーデーを設定するだけで、これまでとは違った反応が得られるはずです。また、減量後期の停滞打破が目的ならば、毎回のトレーニングの最後に、クリーンなどのパワフルでダイナミックな動きのウエイトトレーニングを行えば、滞った代謝を再び活性化させることが出来ることでしょう。

上の単純な対処法でも、行っていること自体は何と言ってもクリーンなので、結果的には充分にパフォーマンスアップに繋げることができます。ですが、よりクロスフィット的な運動を行いたいのであれば、ジムであってもダイナミックな動きを組み合わせたサーキットに挑戦してみるべきです。

その際に問題となるのが、多種多様な器具の占有です。多数の人が利用するジムでは、その様なことを行うのは不可能です。

そこで、パワーラックやダンベル一組があれば組めるミニサーキットを採用するという方法が現実的となります。

パワーラックの場合、ダイナミックな動きの種目で小さなサーキットを組むと、

A:クリーン

B:バーベルプッシュ(頭上へ挙上)

C:デッドリフト

D:ハイプル

と言った組み合わせが、適するでしょう。

これを各々の身体レベルに合わせて、各動作の継続時間とインターバルを決定します。A〜Dを3周程度行いますが、パワーラックに制限時間があっても、充分なインターバルを取った温めのプログラムでも、一般的な制限時間である15〜20分以内で充分にこなすことが可能です。

ポイントは、決められた回数をこなすのではなく、決められた時間中は動作を継続し続けることなので、重すぎる重量は適しません。ギリギリこなせる最大限の重さを選択することになります。



ダンベルの場合は、やや重めのダンベル一組と畳1畳分のスペースが確保できれば、パワーラックの空き待ちが必要ないので、自分が行いたいときにいつでも行うことが可能です。

この場合、

A:ダンベルクリーン

B:ダンベルプッシュ(頭上へ挙上)

C:ダンベルデッドリフト

D:ダンベルハイプル

となり、動きとしては、バーベルとほぼ変わりませんが、ダンベルの場合、動きがやや高度になる為、パフォーマンスアップ目的にはこちらの方が少しだけ適するでしょう。A〜Cの動作については、スミスマシンしかない!-Part.2で紹介しているので、そちらをご参照下さい。

代謝を強く刺激し、全身の筋力を高めたい場合は、重量は重めで動作持続時間を短く、インターバルはやや長めに設定し、持久力や心肺機能を高めたい場合は、軽めの重量で操作継続時間は長く、インターバルを短く設定してみましょう。



さて、これらを採用し始めた当初は、慣れない動きで筋肉痛が酷いため、週1くらいの頻度で行いますが、3〜4週目くらいからは、週2回くらいの頻度に増やし、ある程度、結果が得られたら、また普段のトレーニングサイクルに戻っても良いでしょう。

週1回しかジムトレできない場合は?
この場合、その週1回のクロスフィットに充て、辛うじて余った体力と時間は腹筋や前腕、カーフなどの弱点補強トレに充てます。これを3〜4週継続したら、また普段のトレーニングに戻るのが良いでしょう。

通常サイクルに戻っても修得した動きを維持したい場合、トレーニングの最後の〆に、ミニサーキットを1周だけ行う習慣をつけてみるのもオススメです。

補講編へ続く



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