Q:「マスターのリハビリ日記」の#9に登場するローラーマッサージベッドによる筋力アップ法に興味があるのですが、私の通っているジムには同じ物がありません。その代替となるマッサージチェアもないのですが、それでも何か良い方法はないでしょうか?

私がゴロゴロローラーマッサージやマッサージ器の背筋伸ばしコースを好むのは、日頃の屈み仕事やトレーニングでずれてしまった腰椎の位置が「コキッ!コキッ!」と鳴って、良さ気な位置に戻るような感覚があるからです。

このように単に気持ちよさを追求する為だけにそれを行うのも良いですが、その最大の効果は筋力アップにあります。マッサージによって、わずかでも筋力が向上するのであれば、その儀式を行ってからメニューに取り組むことで、トレーニングクオリティがインスタントに高まるので、競技志向でなくても、ほとんどのトレーニーは無視できないはずです。

しかし、マッサージローラーどころか、その代替となるマッサージチェアがないトレーニングシチュエーションもあると思います。家トレや野外トレーニングの場合なら、なおさらでしょう。

ですが、その筋力アップの原理に着目すれば、如何なる環境でもリラックスには結びつけられなくても、筋力アップにつなげることは可能です。



「脊椎を伸ばすんだ」

二足歩行の有機機械である我々の脊椎は、重力によって鉛直方向に引っ張られ、自らの質量で押されている状態を余儀なくされている。この為、しばし重力から解放されていた起床直後は、椎骨間が開いているので、一日の内で、最も身長が高いと言う小ネタを聞いた事があるはずだ。

重力によって押しつぶされた椎骨間をローラーなどで、開くことができれば、神経伝達がスムーズになって、筋力が向上すると言われている。

つまり、トレーニングの本番前に脊椎が伸ばされれば、手段は何でも良いのだ。



そこで採用するのが、ぶら下がりである。

ジムであれば、チンニングバーなどにぶら下がるだけだ。ただし、ただ単にバーを握って、ぶら下がるだけでは硬くなった背骨は伸びてくれない。

できるだけ身体の力を抜く。特に体幹や脊柱起立筋の力を極限まで緩めてみよう。

すると、下半身の重みによって、人によっては「コキッ!コキッ!」と腰椎などが伸ばされて、腰や身体が軽くなるのが解るはずだ。

マッサージローラーのような強制力はなく、上手く力を抜くといったコツやしばらくの間ぶら下がることができる体力が必要となり、効率は良いとは言えないが、セット間などに行うことが出来る為、この方法は意外に実感しやすいかも知れない。



〜まとめ〜

この手法は、ぶら下がることができる物があれば、何処でもできるという利点が大きく家トレ時はもちろん、野外であれば鉄棒などを利用して、脊椎を気軽に伸ばすことができます。

ウエイトトレーニングだけでなく、投擲や跳躍、スプリント、ランなど、瞬発力の重要性が高い種目の人も練習や本番前に試して頂きたいものです。

後編へ続く



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