Q:私の通っているジムのウエイト環境は、スミスマシンとマシンがメインです。先の解説で、ウエイトトレーニングを行うには充分と理解しましたが、瞬発力アップにつながるようなトレーニングも行いたいです。一応、ダンベルは30kgまであります。

まず、最初に理解して頂きたいことがあります。

それは、「瞬発力アップに効果的な種目」とか「パフォーマンスアップに貢献するプログラム」というのは、便宜上の表現であり、例えその様なものが厳然と存在しても、スポーツパフォーマンスの向上へ直結するとは限らないということです。

トレーニングでの経験をスポーツへとフィードバック出来るか否かの何割かは、意識性など自分自身にかかっているからです。

ただ、上の話を踏まえても踏まえずとも、「ダンベルが30kgまである」と言う環境であれば、スポーツパフォーマンスを向上させられないはずはないと言った解が導かれるべきです。


ダンベルが30kgまであれば、バーベルを用いて広く行われているパワー系種目や瞬発系種目などの全身連動運動を代替することが可能です。

例えば、その代表がクリーンです。

ダンベル30kgというと、全身連動種目を行うには、些か心許ない重量に思えます。ですが、クリーンで60kgを挙げる人を見かけることはあっても、両手にそれぞれ30kgダンベルを握ってクリーンを行っている人を見ることはほとんどありません。出来る人がほとんどいないからです。

更にこれを一般的なハイクリーンではなく、床から引き上げる可動域を大きくしたフォームで行えば、より高度なトレーニングになる為、30kgのダンベルセットがもの足らなくなるまで、かなりの努力と時間が必要になるでしょう。



同様に、ダンベルプッシュも、ダンベルならではのキツさと利点があります。単なるスタンディングショルダープレスとして行うのではなく、自由な可動を活かし膝のバネを使って、高重量を肩から頭上に挙上します。広い可動域の確保や捻りも入れられるワンハンドであれば、目的によってはバーベル以上のトレーニング効果が期待できます。

そして、やはりダンベルクリーンと同様に、この種目はおろかスタンディングショルダープレスにおいてもまた30kgを挙上している人を見かけることは、稀です。中々、挙げられるに至らないからです。



例を論うのもらしくありませんが、最後に下半身のトレーニングとして、ダンベルを用いたスフィフレッグド・デッドリフトを。単にダンベルを使用するではなく、カーフブロックやベンチの上で行う事で、床よりもマイナスの位置まで、重りを下げて行います。

当然、通常よりも広い可動域によって、ストレッチ種目の目的であるストレッチが強調されるだけでなく、動作が非常に困難になるので、やはり30kg以下のダンベルでも、高いトレーニング効果が期待できるだけでなく、バーベルトレーニングでは得られない刺激を得ることが可能になります。



と言う事で、自由な動作、自由な軌道、爆発的な動作、クイックな動きを行いがたいスミスマシンしかない環境であっても、ダンベルさえあれば一般的なバーベルトレーニングに引けをとらないトレーニングが可能です。そして、この事実は、ダンベルがジムにない場合、家で行う事ができるということを示します。

もちろん、パフォーマンスに関係なく、筋肥大トレーニングにも応用可能であり、たとえ努力の果てにトレーニングがスポーツパフォーマンス向上に結びつかなかったとしても、身体は刺激に答えて頑丈になっているはずです。



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