我々は便宜上、「高強度のレジスタンストレーニング」と言う表現をしばしば用いるが、額面通りの強度を満たしていることは少ない。例えば、ウエイトトレーニングにおいて、「一つの太刀の精神」で、全ての反復動作に魂を込めたのであれば、ものの1セットでトレーニング部位の破壊と疲弊が起こるだろう。次のセットが必要ないくらいの刺激ではなく、次のセットに取り組むことが出来ないダメージを負う訳だ。

現実的に毎回毎回、その様なテンションでトレーニングしようものなら、関節等に深刻なダメージが発生する可能性がある為、仕方なく合計が3セットになるようにわざわざ強度を落としてトレーニングを行っていると解釈する方が「教科書に3セットって載っているから」、「皆やトレーナーが3セットって言うから」と漠然とそれを行うよりも、成長が早いはずである。

ともあれ、練習における全力は、「次」を考慮した上での全力であることが多い。


と言う訳で、記録会にてたった1本走っただけだが、普段では考えられないようなダメージが身体に残った。

栄養的には充分にケアしているつもりだが、ハムストリングスを始めとした筋肉がいつまで経っても回復しない。このようなときは、デカいビフテキに限る。確かに1回1回のタンパク質補給は、少ない量をしっかりと消化吸収する方向性が圧倒的に正しいが、このような場合においては、本能的な対処が必要となる。

滴る血、圧倒的咀嚼感、肉の旨味。それらが本能を司る大脳旧皮質の動物的飢えと渇きを満たす。大量の肉をやっつけたと言う眼からの刺激も正のプラシーボに大きな影響を与える。これらは決してプロテインなどでは得ることができない。

牛肉はアミノ酸と結合した体内利用率が高い「ヘム鉄」を始め、亜鉛、クレアチン、アラキドン酸などの重要な栄養素を豊富に含むため、上の観念的な効果のみならず、栄養学的にも理に適った食材なのだ。

と言う訳で、身体がダメージ×ダメージな時は、牛肉を500g程度食べてみよう。おっと、その際には、これまでの消化吸収テクニックを総動員するのを忘れずに。


1・・・1
今回は脂肪が少ない700gのオージビーフ。
お安い代わりにお堅いので、プロテアーゼを含むメロンをすり下ろす。
ついでにニンニクやタマネギのすり下ろしも加える。

2・・・2
1をビールと赤ワインで伸ばして、酵素を豊富に含む非加熱未加工のハチミツ(※)を加え、肉を軟らかくするマリネ液を作る。
肉に胡椒とニンニクを擦り込む。
冷蔵庫で1日以上、漬け込む。

3・・・完成
丁寧に焼いたら、残った肉汁にバターとわさび、醤油を加えて、ステーキソースを作ろう。
油と相性の良い、緑黄色野菜を付け合わせにいただきまーす♪
普通に焼いたら、食べきる前にアゴが疲れてしまう肉塊も、ホテルの最上階レストランで出てくるような柔らかお肉に変身し、あっと言う間に食べられる。

※ 最近では量販店でも「生ハチミツ」がお安く売られていたりする

#8へ続く



【Ex】
ダメージを受け容れて、あえてトレーニングする

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