夏真っ盛りに腹筋が見えていないのは、無論、春からの減量に失敗したせいであるが、その失敗を招いた要因の一つが筋量不足である。減量の効率から考えると、多少の筋量を失おうとも体脂肪燃焼を最優先するのが最も成功率が高く、それを可能にするには春までに充分な筋量を確保しておく必要がある。

筋量を絶対に減らしたくないとか、筋肉を付けながら脂肪も落としたいなどと欲張ると、途端に難易度が高くなってしまうからだ。筋量減少を気にせずに減量に打ち込めるようにするには、充分な筋量の保持が理想となる。

この事実から逆算すると、遅くとも12月にはバルクアップ期に入っておきたい、と言うのが前回の内容であった。


さて、前回が概論であるのに対し、今回からは具体例を示した実践編として話を進めたい。

例えば、やや早めに減量サイクルの開始を3月からと設定すると、増量期たるバルクアップ期間は12月からの8週間ほどが望ましい。つまり、たった2ヶ月で、減量期には多少は失っても構わないと思えるくらいの筋量を確保しないといけないわけだ。

その為には、バルクアップ期に適した筋肥大トレーニングプログラムを適切に行う事は勿論、筋量増加のメカニズムを良く理解したサプリメンテーションが必要になる。



短期間で確実な結果を出すためには、摂取カロリーの増加だけに着目するのではなく、視野をより広げ、摂取栄養素の消化、吸収、分配先のコントロールへと至る包括的な対策を立てるべきである。

幸運な事に、現在の日本においては、その目的を大いに助けるオプショナルサプリを手に入れることが出来る。消化を促進するサプリ、吸収を助けるサプリ、吸収した栄養素を筋肉へと誘導してくれるサプリと言った、目的意識と専門性の高い製品が存在し、絶大な人気という実証を得ているからだ。

オプショナルサプリメントは、その専門性から、単体での投入であっても満足を得られるが、その性能を最大限に引出すには、身体作りとトレーニングクオリティ向上のベースとなる基本サプリに付け足すという形が望ましい。

その辺りの概念は、

オプショナルサプリ選択法-序論
本格的スポーツサプリメントの導入

あたりをご参照頂きたい。



では実際にどのようなオプショナルサプリが必要になるかを考えてみよう。

メイン1:マッハ6
マッハ6は、ロイシンを主体とした筋合成活性成分、血流促進とインシュリン模倣栄養素を主体とした栄養分配強化成分を主軸とした筋肥大専門のサプリメントである。筋肉を付けるには、筋合成の昂進ができるだけ長時間保たれ、そして、血中に放出された栄養素が筋肉へと優先配分されることが望ましい。身体を大きくしたいのであれば、まずはマッハ6を採用したい。

メイン2:クリア
クリアは、食べた食品やプロテインなどの消化吸収を助けるサプリメントである。誰しもが食べたものが全て消化されて効率よく血流に乗せられるわけではないが、クリアは各種消化酵素や腸内細菌叢改善栄養素を含有することで、腸管からの栄養素の取込みを改善する作用を持つ。消化器系に不安がある人は勿論、生まれつき胃腸が強い人であっても、沢山のカロリーを採り入れたいバルクアップ期や過食期にはクリアが欲しい。

メイン3:GCS750
GCS750は、筋肉のインシュリン感受性を高める栄養素や自身がインシュリンの作用を模倣することで、血中栄養素の筋肉への分配率を高めるサプリだ。消化吸収の改善や努力によって、栄養素の血中到達率が向上したならば、それが筋肉へと優先的に分配されることを誰もが望むだろう。GCS750は筋肉への栄養分配を改善するので、そのオマケ作用として、食事からの体脂肪の合成を抑制してくれる。従って、バルクアップと言えど極端な体脂肪の増加を避けることができる為、結果的に後の減量を楽にする働きがある。ただし、GCS750はオプショナルサプリではなく、身体作りの基本サプリなので、トレーニングサイクルと無関係に標準装備として常備したい。

BCAAなどの基本サプリを揃えているのであれば、それほど急いでいなくてもバルクアップ目的には上記のサプリをオプションとして、基本サプリに加えるべきである。

後編へ続く



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