新年の挨拶代わり 2012-前編
新年の挨拶代わり 2012-後編

↑イントロダクションから早、10ヶ月・・・。



「今こそ考えて食べよう」
本編-前編


エンゲル係数が高くて何が悪い!

一握りの富みに富んだ人間が更に楽して富を増やすには、社会格差を広げるのが手っ取り早い。

生産結果を正しく分配するのではなく、一極集中する訳だ。

貧困層は増加し、そしてその可処分所得は益々減少する。

ここで問題となるのは、富裕層以外の可処分所得の減少が起きれば、エンゲル係数が上がり、その他の生命活動や衣食住に直接関わりのない嗜好品や贅沢品と呼ばれる物の消費が減ってしまうことだ。

格差社会先進国のアメリカはこれをどう解決しているのか?



一部の者が一極的に富を手中に収めるには、生命活動に必要のない物に価値があると錯覚(ゲームの設定)させて、それを標準化するのが楽だ。その成功例で分かりやすいのが、携帯電話であろう。個々の収入に関わりなく、誰もが最新の端末を所持している上に高い維持費を支払っている。

それを可能にしているのが、エンゲル係数低下戦法だ。

つまり、とりあえずカロリーが確保できる脂と糖質主体の食品を超低価格で普及させれば良いのである。



ファストフードや冷凍食品、大容量&ロット販売の安価な食品達。

食べ物とは本来、命に関わる物質であり、今日の事情において一定以上の認知力があれば、それが個体一代限りの問題ではなく、そのDNAの継続にも関わる重要なファクターである故に、安く済ますのは難しいという事実が知覚できるはずだ。

ともあれ、超低価格の安易なカロリー源は、多くの人々のエンゲル係数を低下させて、「優秀な消費者」の量産に貢献している。そして、本来は不必要なプロダクトやソフト、見栄を張るためのハッタリアイテムの消費を安定させている。

誰もが平たくアレもコレも所有している。



さて、この手法は食費が安く済む上、調理に時間を取られずにソファーでテレビを観られる時間を確保できるので受け手側も概ね大歓迎であるが、ひとつ欠点を持つ。

ファストフードや冷凍食品、大量生産の加工品ばかり食べていると、必ず不健康になり、慢性的な病気に罹りやすくなってしまう。

そうなると、医療費が増大してしまい、国家やゲームマスターとしては美味しくはないので、国民皆保険なんぞ無くしてしまえ!

その代わりに「自己責任」という認識と価値観を植付ければ、万事OKではないか。



・・・と言うのが彼の国の「やり方」だったのではないかと思う今日この頃。

後編へ続く



【関連】
「今こそ考えて食べよう」本編-前編
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考えて食べること #1
考えて食べること #2
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新年らしい話 2009