今から10年以上前、マスターが目撃したモンスター達のトレーニングを紹介することで、使用重量の重要性を想像してみましょうという話。

2、NZのマーカス・ルール

某粉サプリのカタログに登場していたボディビルの選手。当時の関西では、大胸筋と言えばこの人!と言われるくらいデカい胸の持ち主であった。

やはり、マスターが通っていたジムにビジターとして来訪。

インクライン・ベンチプレスをスタート。



180〜200kgくらいの重量をフルレンジで行うメインセットを数セット行っていた。

正確な重量は忘れてしまったが、高重量を扱いにくいインクラインベンチで、かなりの力自慢がフラットベンチでも挙がらない重量を用いての「普通の筋肥大トレーニング」は、翌日からしばらくの間、ジム内での話題となった。

ただ単に発達した大胸筋。綺麗に整った大胸筋というのは、理路整然としたサイクルと種目選択に基づいてトレーニングを行うことで手に入るかも知れない。しかし、怪物のような大胸筋を手に入れようと思ったら、理論や常識から外れた重量を選択しないといけないのかも知れない。



番外編、(当時のトレーニング界で)超有名な選手

胸だけが唯一、僅かばかりの弱点と目される選手がプライベートトレーニングをしていた。

胸のトレーニングで、ダンベルプレスを行っていた。軽いダンベルで、ウォームアップをしていたが、それは長々と続いていた。

よくよく観察すると、それがメインセットであった。

腕の力が強すぎる場合や腕の力を使い過ぎる癖がある人は、軽めの重量で胸に効かせるトレーニングを行うことがあるが、それにしても全身の発達具合からは軽すぎる重量に思えた。



速筋と遅筋の比率は、各部位で異なる上に、個人差が大きい。ひょっとしたら、この選手はほとんどの部位をハイボリュームトレーニングで発達させられたため、胸にも同じアプローチをしていたのかも知れない。

胸の筋線維の比率が他の部位と大きく異なっていた場合、他の部位と同じアプローチで同様の発達を遂げさせるのは難しいかも知れない。


【Ex】
速筋と遅筋の比率の個人差が大きい部位がある
大胸筋トレプログラムに多い間違い



...と言うことで、格好いい筋肉とか、実用的な筋肉等々、一般的に望まれるようなウエイトトレーニングによる筋肉の発達は、理路整然としたトレーニングと休養と栄養によって達成することができるでしょう。

一方、規格から外れた桁違いの発達を望む場合は、やはり規格外のトレーニングが必要となります。その際の指標のひとつとして判りやすいのが、使用重量ということです。

極端な発達を遂げた部位には、演出でも何でもない、単純な高重量への挑戦(ストリクトフォーム)があったのです。

それは全身にも当てはまることですが、この部位を大きく改善したい、この部位を武器(長所)にしたいと思った時、トレーニングアプローチの方向性で悩んだ時は、この話を思い出してみて下さい。


※ マーカス・ルールと言えば「肩」だと思うのですが、「とにかく胸!」というのが思いつかなかったので(でもマーカス自身は胸がトレードマークと言っていた)




【Ex2】
この話の兄弟-インタビュー・ウィズ・モンスターズ

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