口から摂取された炭水化物は、体内の消化活動によって分解されて、腸管を介して血液に到達する時には最小単位への糖へと分解される。分解物である単糖の多くを占めるグルコースは脳を含めた身体のエネルギー源となる。

血中グルコース濃度が上昇すると、直ちに同化ホルモンインシュリンが分泌されて、血中グルコースの処理が始まる。

余ったグルコースは筋肉収縮や体内の活動のエネルギー源として、インシュリンによってグリコーゲンと言う形で筋肉や肝臓に蓄えられる。

そして、筋肉に蓄えきれなかった余剰なグルコースは、インシュリンの働きによって脂肪へと転換されて脂肪細胞へ蓄積されると一般的には理解されている。

血糖の上昇によって分泌されるインシュリンは筋肉と脂肪の両方に働きかけるが、グリコーゲン合成速度が脂肪合成よりも速い為、グリコーゲン化されなかった余剰グルコースが脂肪へと転換されるように思われている。



ところが、エストロゲンの働きやインシュリンに対する脂肪合成経路の応答性の違いによって、実際は性差や体質によって人によってはグリコーゲン合成と同等、あるいはそれ以上に脂肪が合成される場合がある。

これらの事から、フィットネスにおいては炭水化物摂取による大幅なインシュリン分泌を嫌う傾向がある。

体質によっては、インシュリンの大量分泌を恐れて、少量の炭水化物ですら避ける人までいるくらいである。

しかし、それらは些か誤りで、我々は最も身近なアナボリックホルモンであるインシュリンをもっと有効に活用すべきなのだ。

後編へ続く



【栄養摂取の新常識】
「栄養分配改善法」-序-1
「栄養分配改善法」-序-2
「栄養分配改善法」-序-3
「栄養分配改善法」 #1-前編
「栄養分配改善法」 #1-後編
 

「筋分解抑制優先法」-序論
「筋分解抑制優先法」-実践編
「消化吸収促進法」-基礎
「消化吸収促進法」-実践応用編
「体脂肪合成抑制優先法」-体脂肪を減らすならまず合成を抑制しよう