時短トレ鉄則11
「柔軟なプログラム、我を捨てたプログラム-3」


ベンチプレス、スクワット、etc・・・とにかく最初は多関節の複合種目から始めたい!

誰もがそう思って、トレーニングエリアへ急ぎながら脚を運ぶことでしょう。

ところが、目的のベンチやパワーラックは使用中。こんな時、時間がタップリあれば器具が空くのを待つことができるかも知れません。

待てない場合に有効なのが、先に単関節種目で標的部位を刺激し、複合種目までに疲労させておく「予備疲労法」です。お目当ての複合種目ができる器具が空くまで単関節のアイソレート種目をやり込むことは、決して無意味なことではありません。

【古典的手法:予備疲労法を活用する-後編】

胸であればダンベルフライやバタフライマシン、脚であればレッグエクステンションやレッグカール。これらをひたすらやり込んで、事前にパンプさせておけば、複合種目時にターゲットの筋肉を意識しやすくなります。

複合種目は、多くの関節と筋群が動作に関わるので、一体何処に効いているのかわからない場合もあるでしょう(※)。

ところが、事前にアイソレート種目でターゲットを疲労させておくと、複合種目時に該当部位を意識しやすく、また、既に疲労しているので、筋肉が焼け付くようなバーンを得ることができ、「トレーニング感」や「充実感」が増えるようです。



物理的な刺激を計算すると、数字上は複合種目を先に行う方がトレーニング効果が大きくなります。ですが、ある特定の部位を際立てて刺激したい場合や複合種目の効果がまるで感じられない場合において、単関節のアイソレート種目を先に行う予備疲労法を用いる行為は、物理的な刺激が大きくなる可能性があります。

また、予備疲労法は、ターゲット部位のパンプやバーンが強く出るため、物理的な刺激は弱くなったとしても、筋内環境悪化と言う化学的刺激の増加によって起こる成長ホルモン様物質の分泌促進が大きく、その効果は時に物理的刺激を上回る可能性を持ちます。



スポーツパフォーマンス改善や筋量増加を目的とするならば、巨視的長期的な視点で捉えた恒久的な対策を採用する必要があるでしょう。そのひとつとして、強度を重視するトレーニングの方が有効と考えられます。

ですが、長期でも中期でもなく、突発的に発生する現場での便宜的な予備疲労法の採用は、身体も心も予期していないために思わぬ刺激をもたらすでしょう。

#30へ続く



【復習】
内胚葉型と予備疲労法

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