時短トレ鉄則4「ピラミッド法を捨てる」-後編

時間がない人は時間がかかるピラミッド法の代わりに一体どんな方法を採用すべきでしょうか?

時間がない場合、いきなり最大重量のメインセットから始めると言う方法が適するでしょう。

メインセットは通常6〜8レップス完遂可能な重量を選択して大きな負荷をかけることを目的としますが、自分なりに重たい重量を扱うので、大抵はその準備としてそれまでにピラミッド式にセットを重ねます。

いきなりメインセット法は、このピラミッドの登りの階段部分を全てスキップして、いきなりピラミッドの頂点のセットから開始します。

こうすることで、時間の大幅な節約は勿論、準備段階の複数のセットにおいてのエネルギーの消耗を防止することができます。

筋肉を強く速く収縮させるときに利用される筋中のクレアチンリン酸、クレアチン、グリコーゲンは全て有限で、セット数を重ねれば重ねるほど消耗します。

その残存量如何では、メインセットにおける使用重量に大きな差が出てしまうのです。

いきなりメインセット法の最大の利点は、筋中のエネルギーの無駄な消費がないので、同じ種目で比べた場合、ピラミッド法のメインセットよりも重たい重量でメインセットを設定できる点です。



近年の研究の成果によって、レジスタンストレーニングによる筋肥大は、物理的ダメージだけが引き金になるのではなく、筋内環境悪化による化学的ダメージも重要であることが判ってきています。

ちょっとした筋肥大だけなら必ずしも高強度や高重量のトレーニングが必須ではないようです。

しかし、使用重量の増加と言う成長する快感、並びにそれそのものによる物理的ダメージの増大こそレジスタンストレーニングの醍醐味であり、また、強度の高いトレーニングこそが一時的ではない長持ちする筋肉を作るであろう事を考えれば、メインセットの強度は高いに超したことはありません。

色々小手先のテクニックや最新の理論もありますが、メインセットの使用重量をトレーニングクオリティの基準とすることが今も昔と変わらず重要であることは間違いありません。

怪我やサイクルなどの特別な理由がない限りは、使用重量を漸進的に増やしたいものです。



理屈上は、登りのセットを省いてメインセットから始めれば、使用重量を増やせるはずです。

ですが、自分なりの高重量にいきなり挑戦するのは無理があるで、もちろんウォームアップを終えての第一種目、つまり、本日第1発目の種目のみ2セット前後のウォームアップセットを行います。

この際にもエネルギーを消耗しないようにウォームアップセットを頑張りすぎないのがコツです。

1種目目を終えたら、身体も関節も十分に温まっているはずなので、2種目目からはウォームアップセットを省いて、メインセットから始めてみると良いでしょう。

この辺の感覚は、ピラミッド法しか知らない人には受け容れがたいかも知れませんが、慣れれば意外にできることに気がつくと思うので、時間がない人はもちろんメインセットでの使用重量が停滞気味の方も思い切って挑戦してみては如何でしょうか?

きっと自分の本来のパワーに驚くはずです。

#9へ続く


【Ex】
使用重量を変更するタイミング 前編
使用重量を変更するタイミング 中編
使用重量を変更するタイミング 後編

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