順風満々と錯覚し、蜜の収穫しか頭にしかなかったので、採集グッツの開発や手順ばかりを考える浮かれた日々が続いた。


6月14日(月)雨
いつもの如く、観察のために外に出ると、巣の方が何だか騒がしい。

巣を見やると、蜂達がいきり立っているのがわかる。

更に接近してみると、アリだ!
アリが大挙して押し寄せていた。

どうやら蜜蝋を奪いに来ているようだ。

当のミツバチ達はと言うと、怒っているけど自分達よりも小さな者達に何の抵抗も出来ない様子。

何か対策はあるはずだ!

大気圏突入時のアムロの如く、予め購入しておいた日本ミツバチマニュアル2冊の害虫の頁を当たるも、アリのアの字も載っていないときたもんだ。

蜂の巣がなくなっちゃうーー!
ア、アリは次から次に列をなしてやって来るし、どうすればいいんだ?

(急いでいるので写真撮る暇なし)


ふぇ、フェロモン!
確かアリはフェロモンを頼って後続を率いていたはずだ。

つまり、フェロモンを消せば、奴らを迷子にできる。
フェロモンのタンパク結合を破壊せよ!

バーナー納屋に飛び込み、やおら野焼き用ガスバーナーを担ぎ、エイリアン2のリプリーの如く、アリの隊列とアリの巣までの道を焼き払った。正にリプリーと同様に、その原動力は母性愛!
我、蜂にオキシトシンを分泌せり!

念の為に蜂の巣を移動。



6月15日(火)雨
起きてすぐに、蜂の巣へ向かった。

するとまたもアリ達に襲われていた。
隊列を辿ると、どうやら別のアリの巣らしい。

つまり、移動しても次から次に別の群れが来るので、イタチごっこになってしまう。
その場しのぎではなく、恒久的なアリ対策が必要だ。

日本各地の伝統的巣箱の形状を比較しても、特にアリ対策のギミックが見受けられない。

プロトタイプどうすればいいんだ・・・。

その時、稲妻の如く頭に閃いたのはドラクエ気両觝錨垰團瓮襯ド。
何故か全く解らないが兎に角、メルキド!!

そのイメージで、プロトタイプを作ってみた。



6月16日(水)
昨日のアレには、絶対にアリは入れないだろう。
予想通り、アリ一匹許していなかった。

しかし、この城塞都市方式も一時しのぎに過ぎない。
水があまりに近いので湿気が心配だ。

何としても恒久的なギミックを考え出さねば!

完成たまたま、サプマスが休みだったので、急ぎホームセンターと100均へ。

スティールラックを組み立て、それだけでは不細工なので塗装。

100円のバケツに水を張り、地中に半分埋めてアリ返しを作った。

念には念をで、巣の中には調湿の備長炭も入れてあげた。

何の知識も経験もないのにここまで出来たのは、ミツバチへの愛。それだけである。

日本ミツバチは当初、手段のための手段であったが、いつしかベタ惚れしていたのだ。



6月20日(日)
しかし、激しい恋は長く続かなかった。

蜂の巣を覗くと、もぬけの殻。

日本ミツバチはストレスに弱いので、度重なるアリの襲来と巣の移動、はたまた暑苦しい愛に嫌気がさしてか、とうとう引っ越してしまったようだ。

どうしようもないオチになってしまったが、来年の春に更にもう一台こさえて再挑戦したい。

で、漫画「アキラ」に出てきた山形君の「俺のこの燃え上がった勉強意欲をどうしてくれるんだよ!」みたいな感じに向けるべき対象を失い、それまでミツバチに注がれていた愛情がそれまで見向きもしなかった子供達にようやく向けられたのだった。

ちゃんちゃん。

#11へ続く



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