筋分解って何だ? #4「3大筋分解と+αの筋分解」
前回までのおさらい】

「筋分解先鋒 生命維持のための筋分解」
 人間が生命維持を維持するための代謝活動で、体内では1日当り体重の0.1%のタンパク質、つまり体重65kgなら65gの体内のタンパク質が失われる。


「筋分解中堅 日常生活での筋分解」
 全く運動していないデスクワーク時でも低血糖状態になると、糖新生と呼ばれる筋肉が分解されてエネルギーに変えられる現象が起こる。体格にもよるが、1時間で40gもの筋肉が失われると言われている。


「筋分解大将 運動時の筋分解」
 体格や代謝速度、運動強度、運動時間、栄養状態によって運動時の筋肉の分解量は大きく異なるが、平均的体格の者が低血糖状態で一般的な持久運動を行えば、少なくとも150gもの筋肉を失うと言われている。恐ろしい事に、激しいレジスタンストレーニングや運動時間が長い場合は、更に筋肉を失う。
+αの筋分解とは?
 上記3つが誰の身体でも起こりうる筋肉の発達を阻む3大筋分解であるが、ここに思わぬ伏兵が登場する。

 それは、日常生活におけるストレスによって起こるコルチゾールの分泌量増加やハードトレーニングによるコルチゾール分泌増加である。コルチゾールは、勤勉なトレーニーの間では、筋分解を促進する悪玉ホルモンと知られている。

 適度なコルチゾールは、生命維持に必要不可欠なホルモンであるが、過度の分泌は筋組織を分解し筋肉の合成によるゲインを帳消しにしてしまう。それだけでなく、過度のコルチゾールは腹部への脂肪の蓄積を促進してしまうのだ。

 つまり、例え3大筋分解による筋肉の損失量に匹敵するタンパク質を食事やプロテインによる努力で補えたとしても(※)、コルチゾールの分泌が多ければ、その努力に見合ったゲインが達成されないどころか、筋量がダウンする事もあるのだ。

その5へGO!


※ 果たして、多量の筋分解に匹敵する大量のタンパク質摂取は、全ての人に意味があるのだろうか?


【関連】
栄養摂取の新常識 「筋分解抑制優先法 序論」 #1
栄養摂取の新常識 「筋分解抑制優先法 序論」 #2
栄養摂取の新常識 「筋分解抑制優先法 序論」 #3
栄養摂取の新常識 「筋分解抑制優先法 序論」 #4
栄養摂取の新常識 「筋分解抑制優先法 序論」 #5
ストレス対策 #1
アナボリックドライブ理論2005-1
アナボリックドライブ理論2005-2
アナボリックドライブ理論2005-3